トマトは生ではなく、地元の缶詰工場でつくられているポモドリーニの缶詰を使っている。
つくり方はいたってシンプルだ。
まずパスタにあえるソースをつくる。
ニンニク、トウガラシを弱火のエクストラヴァージンオリーブオイルで炒めて香りをうつし、さらにポモドリーニの缶詰を加えて炒め、そこに塩とバジルを加えて煮こんでおく。
次はパスタにかけるソース、すなわちてんこ盛りのポモドリーニである。
同様にニンニク、トウガラシで香りをつけ、塩で味つけしたエクストラヴァージンオリーブオイルで缶詰のポモドリーニを軽く炒めておく。
この2つのソースができたらリングイネをゆでて、最初のソースをあえ、その上にポモドリーニの粒々ソースを盛りつけ、最後にデコレーションのバジルを添える。
それだけである。
コツといえば、パスタにあえるソースのトマトを、あえて押しつぶさず、自然に煮くずれる程度にしておくこと。
もう1つ、缶詰のポモドリーニをたっぷりと使うことだ。
このトマトの缶詰は、一缶だいたい400グラムだが、1人ぶんに一缶を使う。
このとき、私たちは総勢8人。
トマトの缶は8個使った。
このポモドリーニの缶詰は日本でも手に入るようになったから、良質のエクストラヴァージンオリーブオイルとフレッシュバジルがあれば、誰でもつくれる。
あとは濃厚感というか、全体のバランスだろう。
トマトを思いきって気前よく使うのがコツだ。
日本の常識からすれば、ちょっと抵抗感があるかもしれない。
日本の感覚では、これほどたっぷりとトマトを使ってパスタをつくることはしない。
しかし、トマト缶1つを家族全員で分けたりすると、味が薄くなってしまう。
このスカルパリエッロ、簡単にできて、栄養学的にはスローに消化されるという点で、いまの日本人にとって、なかなかいい料理ではないかと思う。
ざっくり大胆につくるところなど、お父さんがつくる手料理としてもお勧めだ。
わが社の研究所では、夏にお客さんが見えたとき、このパスタをお出しする。
いたって好評で、たいてい「食い足りないから、もっと食わせろ」となる。
ナポリ近郊の農家では、伝統的にトマトのビン詰めをつくっている。
夏に収穫されたトマトをビン詰めにして1年間、保存食として使うのだ。
ビン詰めトマトには、さまざまな種類がある。
Mさんにうかがったつくり方をここで紹介しよう。
一トマトを湯どおしする。
手で皮をむきながら、ビンに詰めていく。
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